
令和の結婚観の特徴と課題|結婚観の変化がもたらすものとは
3ヶ月前の日経記事だが、11月13日、14日に「令和の結婚観」というテーマで2回掲載された。
令和と平成の結婚観に違いがあるのか疑問がわくが、それはさておき、その内容を令和も7年に入った今、確認してみたい。
⇒ 令和の結婚観(上)年上の妻、増え続ける 互いに経済力求める 少子化対策に穴 – 日本経済新聞
⇒ 令和の結婚観(下)老後の「おひとりさま」増 熟年離婚、昨年23%最高 資産形成や年金改革が必須 – 日本経済新聞
記事タイトルを見れば、その視点が想像できるが、一応、それぞれのポイントを抽出しておこう。
前編「年上の妻、増え続ける 互いに経済力求める 少子化対策に穴」の着眼点
年上妻の増加、男女互いに相手に経済力を求める、女性に「結婚し子どもを持つが仕事も一生続ける」ことを望む男性が増加、条件に合う相手を見つけることがより難しく、こども家庭庁設置後の自治体の結婚支援センター事業も低調、岸田前政権「異次元の少子化対策」は子育て世帯支援中心で未婚者への対策が不十分。
このような指摘後、「令和の結婚観を踏まえたうえで、結婚をどう後押しするかは積み残された宿題の一つだ。」と括っている。
後編「老後の「おひとりさま」増 熟年離婚、昨年23%最高 資産形成や年金改革が必須」の着眼点
離婚件数のうち「熟年離婚」が2割を占める時代、「熟年離婚」とは20年以上の婚姻期間を連れ添った夫婦の離婚、
結婚数減少で離婚件数減少だが熟年離婚は高止まりし熟年離婚による「おひとりさま」が毎年8万人増加、働く女性の増加・健康寿命の伸び・年金分割制度の導入などで中高齢女性の離婚選択が増加、未婚・離婚高齢おひとりさまの低年金受給額。
これらを紹介し、記事冒頭記述の「こうした結婚観や家族観の変化を踏まえ、老後に備える資産形成の後押しや社会保障制度改革が急務となる。」という結論に戻ることになる。

以上、2つの記事のキーワードというかポイントとなる事項を整理したが、これとは別に、ChatGPTとDeepSeekに、それぞれの記事の要約も頼んだ。
今回は、それらは用いず、別に、2つの記事と要約を「令和の結婚観とこれからの課題」と題してまとめてくれるよう依頼した。
その内容を、ChaTGPT、DeepSeekの順に以下掲載したい。
令和の結婚観とこれからの課題(by ChatGPT)
1. 変化する結婚観:年上の妻、互いの経済力を重視
かつては「夫が年上、妻は年下」「結婚は勢い」といった価値観が一般的だったが、令和に入り結婚観が大きく変化している。
厚生労働省の人口動態統計によると、2023年には初婚同士の夫婦の24.8%が妻が年上という結果が出ている。特に20代男性の場合、年上の妻を選ぶケースが3割を超えるまで増加。
背景には、男女ともに結婚相手に経済力を求める傾向が強まっていることが挙げられる。
2021年の調査によれば、結婚相手の女性の経済力を「重視する」と答えた独身男性は48.2%と、2002年から19ポイントも上昇。かつて主流だった専業主婦志向は6.8%にとどまり、共働きで家庭と仕事を両立する夫婦像が支持されている。また、年収の高い女性が結婚しにくいという時代は終わり、年収が高いほど未婚率が低くなる傾向が確認されている。
2. 結婚難の時代と少子化問題
お互いに経済力を重視することで、条件に合う結婚相手を見つける難しさが増している。
日本では婚外子が少ないため、結婚数の減少がそのまま少子化に影響を与えている。
石破首相は「少子化の本質は『少母化』だ」と指摘し、結婚できない若者への支援が必要だと訴えている。
しかし、こども家庭庁が結婚支援センターへの交付金などに計上した53.2億円の予算も、抜本的な改善にはつながっていない。また、2022年度には結婚支援センターを利用して成婚したカップルはわずか1698組にとどまっている。
3. 熟年離婚の増加と背景
結婚生活が長年続いた夫婦でも離婚に至るケースが増えています。2023年の熟年離婚率は23.5%と過去最高を更新しました。毎年約8万人の熟年離婚者が「おひとりさま」となっています。離婚の理由には、モラルハラスメント(モラハラ)などの問題や「次の人生を楽しみたい」というポジティブな動機も増えています。
また、2008年には専業主婦を対象とした年金分割制度が導入され、財産分与と合わせて経済的不安がある程度軽減されるようになりました。しかし、経済的な不安以上に、積年の不満や孤独感が離婚を決断させるケースも多いとされています。
4. 増加する単身高齢者と資産形成の必要性
生涯未婚率も上昇しており、2020年には男性28.3%、女性17.8%が50歳時点で未婚という結果が出ています。加えて、2050年には65歳以上の単身世帯が1083万人に増え、全世帯の2割を占めると推計されています。こうした背景から、高齢者の孤立や生活の質の低下が懸念されています。
単身世帯の増加に伴い、年金制度の見直しも進んでいますが、現状では公的年金だけでは老後の生活を支えるには十分とはいえません。50歳男性が65歳で受け取る公的年金の平均額は月15.6万円、女性は10.9万円にとどまります。公的年金に加えて、企業年金や個人年金(iDeCoなど)による私的年金の重要性が増しています。政府は個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入年齢上限引き上げなど、年金制度改革を進めていますが、家族構成の変化に対応した柔軟な資産形成が引き続き求められています。
5. 結婚と老後問題を結びつけた社会改革の必要性
令和の結婚観の変化により、夫婦間の在り方や結婚の意味が多様化する一方、結婚難や少子化、高齢者の単身化といった社会課題も浮き彫りになっている。これらを解決するためには、結婚支援だけでなく、家族を前提としない個人単位での社会保障や資産形成の支援が必要です。
政府による年金制度の改革や私的年金の活用促進に加え、地域コミュニティを活用した孤立防止策の強化が急務といえよう。結婚観や家族観の多様性を尊重しつつ、現代の課題に対応した社会改革が今後の日本にとって不可欠である。

令和の結婚観とこれからの課題(by DeepSeek)
1. 令和時代の結婚観の変化
令和時代の結婚観は、従来の「夫は年上、妻は年下」「夫は外で働き、妻は家庭を守る」といった伝統的な価値観から大きく変化している。特に、以下のような傾向が顕著である。
・年上妻カップルの増加:2023年に結婚した初婚同士の夫婦のうち、24.8%は妻が年上で、過去最高を更新。特に20代男性では、年上の妻を持つカップルが3割を超える。
・経済力重視の傾向:男女ともに結婚相手に経済力を求める傾向が強まっており、独身男性の48.2%が女性の経済力を「重視・考慮する」と回答。男性が女性に求める生き方として、「結婚し子どもを持つが、仕事も一生続ける」が39.4%でトップとなり、専業主婦を希望する割合は減少。
2. 少子化対策の難しさ
婚外子が少ない日本では、結婚する夫婦が増えなければ少子化傾向は反転しにくい。政府や自治体は若者の結婚支援に力を入れており、2025年度予算で53.2億円を計上したが、2022年度の結婚支援センターでの成婚率は0.3%と低い。岸田前政権の「異次元の少子化対策」は子育て世帯の支援が中心で、未婚者への対策が不十分との批判もあった。
3. 熟年離婚の増加と単身高齢者の増加
・熟年離婚の増加:2023年の離婚件数に占める熟年離婚(20年以上の婚姻期間を経た夫婦の離婚)の割合は23.5%と過去最高を記録。離婚件数自体は減少しているが、熟年離婚は2000年ごろから4万件前後で高止まりしている。
・単身高齢者の増加:国立社会保障・人口問題研究所(社人研)によると、50歳時点で一度も結婚をしたことがない人の割合は、2020年に男性で28.3%、女性で17.8%に達した。2050年には65歳以上の単身世帯が1083万人と、2020年から47%増える見込み。
4. 経済的不安と年金制度の改革
・経済的不安:厚生労働省の財政検証結果によると、現在50歳の男性が65歳で受け取る平均年金額は月15.6万円、女性は同10.9万円。公的年金だけでは老後の生活を支えるのが難しい。
・年金制度の改革:政府・与党は2024年末までに年金制度改正法案をまとめる予定。厚生年金のパート労働者への適用拡大などによる年金額の底上げ策を検討中。また、企業年金や個人年金といった私的年金で自己資産を厚くし、老後の生活資金を補完する必要性が高まっている。
5. 今後の課題
・結婚支援策の強化:新しい結婚観を踏まえた上で、結婚を個人の自由な意思決定としつつ、結婚支援策を強化する必要がある。特に、未婚者への対策や成婚率向上に向けた具体的な施策が求められている。
・社会保障制度の見直し:単身高齢者の増加に伴い、老後の生活設計や社会保障制度の見直しが急務。年金制度の改革や個人の資産形成を支援する政策が重要。
・社会の意識改革:離婚は回避すべきだという風潮が薄れ、個人の選択が尊重されるようになったが、単身高齢者の経済的不安を解消するための社会全体の意識改革も必要。
結論
令和時代の結婚観は、年上妻や経済力重視の傾向が強まり、伝統的な結婚像から大きく変化している。
少子化対策においては、結婚支援策の強化が求められるが、その効果はまだ不透明だ。
また、熟年離婚の増加や単身高齢者の増加といった新たな課題に対応するため、年金制度の改革や個人の資産形成を支援する政策が不可欠である。
政府や社会は、新しい結婚観を踏まえた上で、結婚を支援するための新たなアプローチを模索する必要がある。

人生100年時代の ”Life Stage” の起点が「結婚」
当サイトの主カテゴリーの ”Life Stage” の起点が「結婚」という認識であり、これを設定している。
令和という時代にその結婚観が変化している、というのが日経の当記事のテーマである。
その変化とはどういうものかを、2つの記事の要約で確認したが、その内容が、まさに「人生100年時代の結婚の在り方と特徴」というテーマと重なったようだ。
2つの生成AIにその要約の方針として「令和の結婚観とこれからの課題」というタイトルを条件としたのは、その意図があってのことだった。
そして、その要約は、ほぼ「なるほど、そうだよな」と思えるものだろう。
しかし、当サイトの目的は、どちらかというと、少子化社会の加速・進展にどのように対処するかを考察し、その対策を提案したり、望ましい行動を多くに方々が起こすことに繋がる考えを提起することにある。
離婚観の変化とおひとりさま高齢者社会問題を含んだ日経「令和の結婚観」論
日経が、どういう基本的な認識を持ち、どんなことを主張・提案しようとしたのか、この2つの記事からは読み取ることが難しい。
昭和の時代の結婚観との違いを持ち出すことは、「ふてほど」のリライトのような気がするし、まったく面白くない。
記事における「結婚観の変化」には、「離婚観の変化」も含み、「おひとりさま」リスク問題を強調する意図も含むとみる。
そのことで、焦点をぼかし、包括的に政府や行政の取り組みの甘さを指摘し、対策を求めているかのような結び方をしている。
しかし、当記事の私の受け止め方、読み取り方は、結局、自己責任に帰するような、形式的な提案・主張に終わっているというもの。
そしてその日経の問題提起は、日経が常日頃主張している財政規律主義とは反対に向かわせるもののようにも感じさせるのだ。
人生100年時代の ”Life Stage” の起点としての「結婚」は、結婚を望み、子どもを持つことを望む世代の人たちの希望を実現する上でのスタートである。そしてそれは、少子化社会の進行の抑制に繋がる重要な行動と言える。
結婚は、一つのLife Event と表現することもあるが、このサイトでは、一つのStage に立つ、という意味で捉えたい。
結婚論を始めるためのプロローグとして、このサイト開設に当たって、日経記事を参考にした。
日経記事では、社人研や厚生労働省の報告など公的な情報やデータも挿入しているが、当サイトでは、当然、それらを活用し、考察・問題提起・提案する予定である。

この記事へのコメントはありません。